CGWorld jp Interview with the Boris FX CEO and Our Mocha Product Manager

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サードパーティ初のVRエフェクト搭載! Boris FX主力2製品のバージョンアップとそのねらいとは

Boris FXSapphireBoris Continuum Complete(以下、BCC)がバージョンアップした。これで両者にImagineer Systemsのトラッキングツール Mochaのエンジンが搭載されることになり、全てのエフェクトでmochaによるプラナートラッキングとマスキングが行える。また、BCCにサードパーティとしては初のVRエフェクトが搭載されたことにも注目したい。新機能の概要とBoris FXにおけるプラグインに対する考え方に関して、CEOのボリス・ヤムニツキ氏と、プロダクトマネージャーのマーティン・ブレンナンド氏に話を聞いた。

<1>SapphireへのMochaエンジンの搭載

ーーBCC 10に続きSapphire 11にもmochaのプラナートラッキングとマスキングのエンジンが搭載されました。この経緯を教えていただけますか?

BorisFX創業者/ボリス・ヤムニツキ氏(以下、ヤムニツキ氏):マスクとトラッキングはVFXにおいて非常に重要だと常に考えていました。BCCの中にもシンプルなトラッキング機能や「Pixel Chooser」というロトの機能がありましたが、mochaのトラッキングのクオリティは他社製品と比べても非常に制度が高くて便利なものです。そこで、MochaをBCCとSapphireの中で一緒に使えれば簡潔で便利になり、Boris FXの強力なソリューションになるだろうと考えたわけです。

ーーMochaでは、単独製品としてVR映像でのトラッキング、ロトスコーピング、オブジェクトリムーバル、スタビライズなどを行う「mocha VR」もありますが、こちらのお話も聞かせてください。

ヤムニツキ氏:カメラのリグやドローンを消し去る作業やカメラの揺れのスタビライズなど、VR映像の制作に必要とされる作業を全て行えるのがmocha VRです。ですので、非常にコストパフォーマンスに優れています。しかもそれらの処理は先ほど言ったとおり平面画像に対してではなく3次元の状態で行うので、クオリティも高いものになります。

<2>サードパーティとしてVRツールを提供することの意義

ーーやはりVRの市場は重要だとお考えですか?

ヤムニツキ氏:VRのマーケットはこれからも非常に伸びていくでしょう。これまでできなかった表現ができるので、今も様々なプロジェクトが生まれています。VRのツールをサードパーティで提供しているメーカーはBoris FXだけです。VRはまだ新しい技術なので投資にはリスクがありますが、多くの顧客先を回ってニーズがあることを確信しており、この先も定着して伸びていくだろうと考えています。

BorisFX プロダクトマネージャー/マーティン・ブレンナンド氏(以下、ブレンナンド氏):最近はハードウェアメーカーから360度撮影できるカメラが小さなものからハイエンドのものまで発売され始めていますが、ソフトウェアメーカーもそれらの製品に合わせてツールを対応させていかなければなりません。実際にそれらのカメラで撮った映像を見ると、フリッカーなど様々な問題があることがわかります。ですので、Boris FXとしてはそれらを解決するためのソリューションを提供していかなければならないと思っています。

ーーVRを実際に体験してみましたか?

ヤムニツキ氏:ええ、楽しかったですよ。でも高いところは苦手で、下を見られずにずっと上の方ばかり見ていました(笑)。

ーーAfter EffectsやPremiere ProにもVRエフェクトが搭載されましたが、これらの標準VRエフェクトとBCCのVRエフェクトとのちがいは何ですか?

ヤムニツキ氏:標準のVRエフェクトは平面画像に対して処理したものを360度回転していますが、BCCのVRエフェクトは最初から3次元の状態でマスクを作成するため、クオリティの高いものがつくれます。

ーーパーティクルやフラクタルノイズなどのビジュアルエフェクトをVR対応にする予定はありますか?

ヤムニツキ氏:少し話を広げてお答えしますね。まずエフェクトに関してですが、顧客先を回って話を聞くと、極端なビジュアルエフェクトではなく映像のクオリティを上げるエフェクトが望まれています。具体的には今回、搭載したフリッカーや揺れの補正などですね。見た目の派手さはあまり求められていないんです。ですので、ビジュアルエフェクトのVR対応は今のところあまり考えていません。トランジションに関しては、黒フェードなどのシンプルなものはあってもよいかもしれません。単純な方がいいんです。なぜかというと、平面の映像の場合はトランジションでの切り替えに何らかのストーリー演出があります。でもVRではそういう演出はあまり意味がないんです。なので、トランジションに関しても派手なものは求められていないと考えています。

<3>その他の新機能に関して

ーーBCC 11から搭載された「Broadcast Safe」はルミナンスやクロマを放送法の制限内に収めるエフェクトですが、なぜこのタイミングで放送用のエフェクトを搭載したのですか?

ヤムニツキ氏:BCCには昔から「Safe Colors」というエフェクトが搭載されていたのですが、イギリスの制作会社ITNから「Safe Colors」を放送用に特化させたエフェクトが欲しいというリクエストがあったので、放送用の機能を切り出すだけでなく多くの人が使ってもミスのないように操作を簡潔にしたものを「Broadcast Safe」として今回リリースしました。

ブレンナンド氏:多くの会社で使われるので、操作を単純化しておかないと間違いが起こるんです。それを避けるためにも特定の機能に特化したエフェクトを別に用意しました。

ーー実に多彩なエフェクトが用意されているわけですが、これらを提供するにあたってのBoris FXとしての方針はありますか?

ヤムニツキ氏:Boris FXの製品として重要と考えているのは、まず完全なものを提供するということ、そして一貫性のある操作性です。mochaに関しても、BCCの中のmocha、Sapphireの中のmocha、そしてmocha Pro、いずれも起動してしまえばインターフェイスは同じなので、どれかひとつで操作を学習すれば他の製品に移ってもすぐに使えるという点が特長です。また、ライセンスのしくみも共通化させるためにRLMを採用しています。ライセンスファイルの中で、BCCもSapphireもmochaもすべてコントロールできるしくみです。

ーーBCCとSapphireはカテゴリ別のユニット販売もされていますね。このねらいを教えてください。

ヤムニツキ氏:ユニットのターゲットは予算の低い仕事をされる顧客で、例えばコンプリート版をもっている会社とのプロジェクトで十分な予算が出ないときに必要なユニットだけを購入して参加する、といった方々です。また、コンプリートはたくさんのエフェクトを搭載しているので、最初は何が入っているのかよくわからないかもしれませんが、ユニット化することでどんなエフェクトが入っているのかを知ってもらえる役割もあります。さらに、テスト的にどれかひとつのユニットを購入していただき、操作性や機能が気に入ったら他のユニットを追加する、あるいはコンプリートを購入する、などのステップアップにも役立ちます。

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